あなたの爪、大丈夫ですか?

爪の基礎知識

私たちが日常生活を送るうえで、爪は重要な役割を果たしています。ところが、その大切さは日頃あまり意識されません。
深爪をしたときに、ものが掴みにくかった程度のものかもしれません。
まずは、爪に対する理解を深めましょう。


爪の構造とこまかな名称

爪はケラチンといわれるタンパク質でできている皮膚の一部です。一般に爪甲(そうこう)を爪と呼んでしますが、爪甲は爪母(そうぼ)で作られ、爪床(そうしょう)に向かって伸びていきます。
爪の根元の半月形の白いところは爪半月、爪の回りは爪廓(そうかく)と呼ばれています。


爪は健康の鏡 * 爪が知らせるメッセージ *

爪半月が小さくなると病気だと言われていますが、実際には爪半月の大小と健康とは関係ありません。むしろ、爪の形や色が変わったり、爪廓部に変化を生じた場合に、内臓の病気が疑われます。
たとえば、爪が白くなった場合には肝硬変などの肝臓疾患、赤くなった場合には血液の異常などによることが疑われますが、黄色や黒く変色する場合もあります。また、病気によっては色だけでなく、表面がざらついたり、へこんだりすることもあります。
爪は思っている以上に、私たちの健康状態を知らせるバロメーターでもあります。医師は患者さんの爪をよく観察しますし、女性が入院したときなどはマニキュアを取るように指示されます。
だからといって、爪の変化だけで病気を確定することはできませんが、爪を観察することでからだの異常をいち早く気づき、病気を早期に発見することにもつながるわけです。


爪の役割

・手足の指先を保護している
・手足の指先の形を整えている
・手足の指の腹に加わる力を支えている
・細かい物を掴むことができる
・指先の感覚を鋭敏にしている


爪そのものの病気

爪の病気で一番頻度が多いのは、なんといっても爪白癬(爪の水虫)です。水虫というと、足を思い浮かべる人が多いでしょうが、爪も水虫にかかります。
このほか、爪甲から爪床が剥がれてくる爪甲剥離症、爪廓が赤くなって腫れ上がる慢性爪廓炎などがあります。


 

爪白癬の基礎知識

爪の病気の中で一番多い爪白癬。爪が水虫にかかることはあまり知られていないため、爪の異常に気づいていても、そのまま放置されていることも多いようです。
では、爪白癬がどんな病気なのか、ご説明しましょう。


爪白癬とは

そもそも白癬とは、白癬菌というカビが原因で起こる皮膚病です。足の皮膚に起こるのが足白癬ですが、爪も皮膚の一部ですから白癬菌が手や足の爪に侵入することもあります。これが、爪白癬です。
爪白癬にかかると爪甲が白く濁ったり、黄褐色に変色します。症状が進行すると爪の先端部が分厚く変形しますが、痒みなどの自覚症状はありません。そのため、「なんだか爪がへんだけど、歳のせいかな」などと思われがちで、治療されずに放置されたままのケースが多くみられます。
ある統計では日本国内に330万人もの爪白癬の患者さんがいると報告されていますが、実際に治療しているのはわずか76万人、5分の1にすぎません。
なぜ、放置されたままになっているのでしょうか。一番の理由は、爪の異常に気づいていても、それが爪白癬だと知らずにそのままにしているためです。


なぜ、治療しなければならないの?

よく、「水虫は一度かかったら、一生治らない」と言われますが、このことと爪白癬は深くかかわっています。
昔はともかく、いまは白癬菌によく効く薬が出されています。ですから、水虫が一生治らないというのは間違いですが、爪白癬があると爪が白癬菌の貯蔵庫の役目をして、水虫を治りにくくします。また、からだや頭といった、足や爪以外の場所に白癬をうつす可能性もあります。そこで、水虫を完治させるためには爪白癬の治療が不可欠となりますが、自分だけでなく、家族やまわりの人に白癬をうつす可能性もあります。実際に、母親の未治療の爪白癬が感染源となって、子供が頭部白癬にかかったという症例もあります。
また、爪白癬が進行すると、爪が分厚くなったり、変形するため美容上の問題もさることながら、ひどい場合には靴が履けなくなるなど、日常生活にも影響を及ぼしかねません。
自覚症状がないからといってそのまま放置していると、思いがけず家族にうつしてしまったり、いつまでも水虫が治らない原因になっていることもあります。積極的に治療したいものです。

爪白癬の診断と検査

爪白癬の診断の第一歩は、真菌検査と呼ばれる検査によって白癬菌の存在を証明することです。
具体的には、爪の一部を採取して顕微鏡を使って調べる方法と、培養して調べる方法の2通りがあります。
これらの検査は、皮膚科を受診すれば受けることが可能です。素人判断せずに、正しい診断を受けましょう。




新しい治療法 『パルス療法』


1週間飲んで3週間休む。3回繰り返して終了

皮膚科で行う爪水虫治療法として、「パルス療法」という新しい方法が承認されました。
パルス療法とは、まず1週間薬を飲んでから、3週間休みます。これを3回繰り返す。つまり、薬を飲むのは合計21日。
パルス療法を始めてから2~3ヶ月で、新しい爪が生えてきます。すっかり生え替わるのには約1年かかりますが、6ヵ月~1年で、爪水虫に侵された爪とはサヨナラできるというわけです。従来、6ヵ月近く毎日飲み続けなければならなかったことを考えると、治療しやすくなりました。
パルス療法の特徴は、薬が爪の中に溜まって、飲んでいない間も効力を発揮している点。これが従来の服用法と大きく違うところ。今こそ、すっかり水虫菌が退治できるまで、専門医の指示通りに治療しましょう。